日本周辺で警戒監視にあたる海上自衛隊の哨戒機P-1。去年、会計検査院の調査で可動状況が低調であると指摘されたが、この割合がいまだに低迷していることが関係者への取材でわかった。
海自が保有するP-1のうち、任務につくことのできる機体の割合が低いことが、去年、会計検査院の調べで明らかになった。会計検査院は、2019年度から2023年度までの運用状況について、監視活動に従事できる機体が限られていると指摘。具体的な割合については、防衛省が「国家の安全が害されるおそれがある」としたため公表されなかったが、「可動状況は低調」と説明された。エンジンや搭載された電子機器などの不具合や部品不足が原因という。
P-1の可動状況はその後も低迷しているという。関係者によると、保有する約40機のうち、任務につくことができる可動機の割合は、概ね、2割から3割程度という。
会計検査院の報告を経ても、可動状況を改善できない理由は何か?
ある関係者は、「修理能力が限界に達している」と指摘する。 修理できない部品を新たな部品に交換しようとしても、ロシアによるウクライナ侵攻の影響や物価上昇などによる部品の価格高騰や、製造が中止されている部品があるため難しい。これに対応するため、部品、修理、整備、補給などをまとめて契約する中長期的な包括契約を進めようとしているものの、他の機体から「部品取り」することもいまだに行われているという。
防衛装備庁は、P-1を計61機配備予定で、毎年、新たな機体を調達している。関係者は「部品不足のため、哨戒にかかる装備品のない、ただ飛べるだけの機体が納入され、部品取りに使われることもある」と明らかにした。
「計画に沿って新たな機体を調達するより、今あるP-1を実際に使える機体として可動機数を増やす道を模索すべき。そうでないならば、既存の哨戒機にとらわれず、無人機などに予算投入するようかじを切るべきだ」との声があがっている。
斎藤海上幕僚長は、P-1の可動状況については、エンジンの一部素材の腐食による性能の低下、搭載電子機器などの不具合、交換用の部品の調達にかかる時間の長期化など、可動率の低下の要因についてあげた上で、「それを一つ一つつぶしている状況」と述べ、具体的な可動率への言及は避けた。中国など周辺国の脅威が高まる中、重要性を増す哨戒機。日本を守るため、既存の計画にとらわれすぎない柔軟な対応が求められている。
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