Technics、磁性流体ドライバー採用のワイヤレスヘッドホン「EAH-A1000」を発表
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パナソニックは9月30日、ワイヤレスヘッドホンの新製品「EAH-A1000」を発表した。価格はオープンプライスで、実売価格は6万円前後になる見込み。発売は11月19日を予定し、カラーはプラチナグレージュとブラックの2色展開だ。
Technicsらしさ全開、磁性流体ドライバー採用ヘッドホン
EAH-A1000は、Technicsのブランドで展開するハイエンドのワイヤレスヘッドホン。ノイズキャンセル性能に加え、高音質にもこだわっている。
Technicsのコンセプトである、(1)音の持つ無限の可能性を拓き、人生に喜びと感動をもたらすというミッション、(2)パーソナル空間の価値向上に技術で貢献するというヴィジョン、(3)音楽を愛し、あらゆる音の体験に高いクオリティを求めるというニーズを満たし、アーティストの「ありのまま」を伝える音楽再生を目指して開発された。
技術面で「ブランドらしさ」を感じさせるのが「磁性流体」を使用した独自開発のドライバーだ。
磁性流体とは、液体のように自由に動く性質を持ちながら、磁石に吸い寄せられる性質を持つ素材のこと。液体のように隙間に流すことができ、EAH-A1000のドライバーでは、ボイスコイルを動かすために空いている隙間(磁石とヨークのギャップ)に使用している。電圧をかけることで、振動板に取り付けたボイスコイルが前後に震える動作(ピストンモーション)時に発生する横揺れ(ブレ)を抑え、正確なストローク動作をさせるのが目的だ。
ちなみに、Hi-Fiスピーカーなどでは、摩擦熱を逃すことを目的に磁性流体を使うがあるが、Technicsの場合は、ただ隙間を開けるだけでなく、そこに液体を使用することで動きを安定させることが主目的だそうだ。イメージとしてはエンジンにオイルを流してシリンダーやピストンが滑らかな動作になるのと似ている。
Technicsではこれまで、2019年の「EAH-TZ700」や2025年の完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ100」など、イヤホン製品のフラッグシップ機向けに、磁性流体ドライバーを展開してきた。開発の実績も重ねてきたことになる。
ただ、EAH-AZ100のドライバーは10mm程度の直径で、本機のものよりかなり小型だ。これを40mm径と大きなヘッドホン用のドライバーに採用するためには、後述するようにかなりの試行錯誤があったという。
振動板には軽量でたわみにくいコーン形状のカーボンファイバー素材を使用している。イヤホンに比べて大口径化した振動板を歪みなく動かすために、やわらかいエッジ部を設けているが、ここにも工夫がある。Technicsのハイエンドスピーカー「SB-R1」(受注生産、148万2000円/本)でも採用している、「SSTエッジ」という構造を採用しているのだ。
これ以外にも、ドライバーユニットを取り付ける面(バッフル面)の凹凸をなくして不要な反響音が出ないようにする「バッフルフラット構造」で中高域の濁りを抑えたり、ドライバー後方に大きな空間を空け、かつ背面に通気口を備え、空気の流れを最適化する「アコースティックコントロールチャンバー」を装備しているといった特徴がある。
これらはヘッドホンならではの自然な空間の広がりを出すための工夫だ。