「火星の海」約32億年前に消失、高知大など解析 将来の探査に活用
高知大学などは火星にかつて存在した海が約32億年前に消失したとする解析結果をまとめた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が参加する将来の火星探査計画で、目標地点の選定に役立つ可能性がある。
火星は太陽から4番目の距離にある惑星で地球と木星の間に位置している。火星表面の地形や鉱物の分析結果からかつて液体の海が存在し何らかの理由で消失したと考えられている。ただ、具体的に海がなくなった時期は分かっていなかった。
研究チームは長さ約2.8メートル、幅約1.4メートルの水槽を使い、海が消失する過程で海面が下がる状況を再現した。その結果、独特のデルタ地形(三角州)ができることがわかった。火星の衛星画像と比較したところ、類似した地形が複数の場所で確認された。
クレーターのサイズや数をもとに年代を推定するアルゴリズムを使って検証したところ、約38億年前から海が存在し、約32億年前に消失したとみられる。
別の形状のデルタ地形を対象に解析したところ、1億~21億年前まで火星のところどころに湖が存在していたことも分かった。これまでは海が消えたあと、今と同じく乾燥した環境が続いているとされていたため、予想外の結果だったという。
特定したデルタ地形は将来の探査目標になる可能性がある。今後は別の地形の調査にも取り組み、火星で生命が存在できる環境がいつまで続いていたのか解明を目指す。高知大学の長谷川精准教授は「地球外生命の発見につながる一翼を担えれば楽しい」と意気込んだ。同氏はJAXAが検討する火星本体の探査計画のメンバーでもある。
研究成果は国際学術誌「npj スペースエクスプロレーション」に掲載された
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG023MK0S6A001C2000000/