ソニーグループが2027年3月期(2026年度)の第2四半期(7~9月の3か月)連結決算を発表しました。
グループ全体の売上高は、前年同期比10%増の約3兆4294億円、本業のもうけを示す営業利益は同45%増の約6223億円の増収増益と好調でした。
その中で主力のゲーム事業(ゲーム&ネットワークサービス)は、売上高が約1兆2085億円、営業利益は約2201億円と、こちらも増収増益でした。
グループの売上高・営業利益の3分の1以上を稼ぐ好調ぶりです。
ただ、決算に興味のないゲームファンからすると不思議かもしれません。
PS5の発売から6年が経過して、むしろ任天堂のゲーム機(ニンテンドースイッチ2)のほうが目立って見えるからです。
ゲームビジネスの視点で振り返ってみます。
PS5の出荷台数ですが、7~9月は約260万台(前年同期は約400万台)で、年を追うごとに減っています。
累計出荷数の1億台も目前ですが、それはいきわたっていることの裏返しで、爆発的に売れているとは言い難いからです。
実際ゲーム機自体の売上高は2197億円と前年同期比を下回っています。
しかしソフトは約7085億円、ネットワークサービスも約2183億円で、両方とも前年同期比を上回っています。
もう一つ、月間アクティブユーザー数は1億2700万(前年同期は1億1900万)で推移しています。
ゲーム機の普及は頂点に達して、ソフトは売れている理想的な構図です。
課題は今後、ある程度の維持はできるものの、さらなる上昇カーブを望むのは厳しいことです。
むしろ、ここまでが「出来すぎ」といえます。
年末商戦では、世界で大ヒットが確実視されるゲーム「グランド・セフト・オート6」が出て、その好影響が出た後です。
また、少子高齢化が進む日本市場をどうするかです。地域別の売れ行きを開示していませんが、欧米市場のかなりの偏重は、各種データや広報宣伝施策からも容易に推測されます。
合理的に考えれば、欧米市場を引き続き強化し、人口が増加する新興国へ注力して、相対的に市場が縮小する日本への優先度を下げるのが妥当です。
そんな中で日本市場への配慮をどこまで維持してくれるかが今後の焦点の一つとなります。
ゲームだけでなく、映画やアニメなどのビジネスをグループ内で展開できる「ソニー経済圏」を持っている強みはあるのですが、逆にゲームの数字が大きい分、グループ全体に失速の影響を与えてしまうのは確実です。
インフレ、材料費高騰の傾向がある中、次世代ゲーム機をどのタイミングで、価格をどう設定して投入するのは、相当な悩みでしょう。
特にゲーム機の開発は、何年も先を見て開発するため、かじ取りが相当に難しいのです。
いずれにしても、この好調がいつまで続くかです。決算資料と発表内容を見る限り、まだ引っ張る可能性が高く、ビジネスとしてはそうするべきなのですが……。
そして今は好調でも「一寸先は闇」なのは、ゲームビジネスの特徴の一つです。
ソニーグループがエンタメを網羅する世界的企業になり、リスクを分散化したはずなのに、ゲーム事業が巨大な柱になりすぎて、ソニーのビジネスの未来を左右しているのは、なんとも興味深いところです。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/74cabac30bae0e92400798bc393261e50d5ae8d1